2022/09/18 殺魚棒とオタマトーンin国立民族学博物館

久しぶりの万博記念公園と国立民族学博物館(通称・みんぱく)へ。
「殺魚棒とオタマトーン」というタイトルのトークイベント。
殺魚棒はまさに明和電機の原点。わくわく。

家を出る時間を間違えて、まぴぃさんとの待ち合わせ時間に大幅遅刻…。
先にみんぱくへ入っていたまぴぃさんとLINEで連絡取ると、「もう結構並んでる…」と。
優雅にランチ(乾杯込み)して1時間前ぐらいから並ぶ予定にしてたけど、下手したら入れてなかったかもしれなかった…。
結果オーライ(ということにしておくれ…ごめん…)。

私たちより前に並んでいた精鋭部隊はほぼ顔なじみ。
先頭はもちろんぴろぴろさん。さすが。
腹ペコのまま整理券配布まで1時間半ほど待機。
前の週に行った岡本太郎展で買った太陽の塔Tシャツを着て行ってたので太陽の塔のまねをさせられたり、次週のまぴぃさんの予定を聞いたり、通りかかった社長に手を振ったりしながら。

14時になり、やっと整理券もらって会場へ入室。
2人掛けテーブルが3列。前面と2人の間にアクリル板。
コロナ対策万端。
左側の最前列に席を確保。
隣近所のアクリル板3枚越えてやっと社長が見える。
近くて遠いな…。


14:30、言語学者の菊澤律子教授のお話からトークイベントスタート。
明和電機もオタマトーンもなにも2年前まで知らなかった。
コロナ禍で楽器を始める友人が増える中、そのうちの一人がオタマトーン買ったよ~とfacebookに投稿があったのを見て、なにそれかわいい!となったそう。
オタマトーンのことが知りたくて調べていると、作っているのは明和電機で、豊川で展覧会をやるということが分かり、豊川へ。
展示を見てオタマトーンが自分の研究分野に通じるものがあって縁を感じ、開催が決まっていた今回の特別展「Homō loquēns 「しゃべるヒト」~ことばの不思議を科学する~」に出展の声を掛けさせていただいた、と。

展示の打ち合わせで社長がみんぱくへ来た時に、社長から「殺魚棒はまだありますか?」と聞かれ、今日はご用意しました。
久々にご対面していただきましょう!
でも実は先ほど触っていただいたので、これはやらせです。

久々にご対面の様子(やらせじゃない方)↓

菊澤教授の熱いオタマトーン話で、社長の紹介がないまま。
「えーっと、明和電機代表取締役…」と紙を見ながらご紹介。
何気に文字数多いので読み上げにくいですよね。
「土佐社長」って言いにくいし。

殺魚棒と社長、再度ご対面。
手袋するのはテープカット以来。いつ?
さっきも持ったけど、実際に手に持てるのは感無量。
ちょっと掲げて「では100万円から」とオークションごっこ。
想像してたより軽いらしい。

ここからパワポ社長トークへ。
「殺魚棒とオタマトーン」というタイトルが最高。
会場満席で、明和電機とオタマトーンを知ってる人はどれぐらいいたんだろう。
知らない人へオタマトーンは楽器だよ、という説明とともに「ジュピター」演奏。

殺魚棒に出会っていなかったら、オタマトーンは生まれなかった。
大阪万博は3歳の時。
カナダ館の前にあった白熊の前でホットドッグを食べた記憶がある。
すごい未来を感じさせるイベントだったのに、今ここへ来てみたら、あの時見た未来は来てないので、なんとも言えない気持ちになる。
パワーポイントのスライドでいろんなオタマトーンを見せる。
殺魚棒はワッハモデルと顔が似てますね。

みんぱくへは大学院2年の時にきた。
殺魚棒を2時間ぐらい座り込んでスケッチ。
アフリカのお面のとこのソファーで寝るのがたまらない。

弓魚のスライドを表示。
威嚇するための尖った武器も好きだった。
かわいいオタマトーンから想像できない30年前はこわかった明和電機。

ウケテルやサバオのスライドを表示。
ビデオテークでみたアフリカかどっかの民族音楽から「イカリを揚げよう」のイントロが生まれた。
みんぱくの展示品からたくさん影響をうけた。

大学で機械加工でアート作品を作るようになった。
大学があるつくばと万博公園は、人工都市と未来感が似ている。
その頃流行りだしたコンピューターグラフィックスを使うようにもなった。

卒業制作で妊婦ロボを作った。
生命の不思議さを作りたかった。
1・2日目はガッコガッコ動くのがお客さんに受けてよかったよかったと思ったが、3・4日目に同じ動きしかしない、形を作っただけ、と気付く。
ロボは、論理的な部品を論理的に組み立てないと動かない。
生命は不可解でも動くし、変化していく、自己創出。
やろうとしてることは無理じゃん!と気付く。
スランプへ。

その前に、僕は僕の仕組みを知らない。
もんもんとした気持ちを抱えて大阪奈良京都巡礼の旅へ。
博物館とかお寺とか巡るうちに、みんぱくへ。
その当時はエキスポタワーがあった。


(Wikipediaより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC

太陽の塔→不可解=右脳
エキスポタワー→論理=左脳
脊髄のように走る高速道路
なんだここは!脳か!と思った。

世界中から集められた道具がずらりと並ぶ、みんぱく。
今までは作品を作ったら「見てください」と鑑賞物として作ってきた。
ここには、人間が使わないと意味がないものが並んでいた。
この中のひとつが殺魚棒。

なぜ創造行為、作り出すってことをしようとしているのか、生きるためのなのか。わからない。
創造が生なら、破壊は死なのか。
生がわからないけど、死とは?
死や破壊がわからないと考えている時に殺魚棒を見た。
死をもたらす道具なのに、顔がある。

魚をしめるためなら、ただのバットでいいのに、呪術的な顔がある。
自分が作るものもこれに似ているのではないか。

話しながらスライドすらすら。
製品スライドの合間にさらっと出てくる学生時代の画像。
そっちも気になるがな。見せてー。

肺魚のスライドを表示。
生物学で「インビトロ」という考え方がある。
自分をモデル化して俯瞰で見てみる。
肺魚はそこから生まれた作品のひとつ。
これは魚の浮き袋を使わないといけない。
妊婦ロボのころならゴムを使っていたけど。
使う材料にも意味がある。
アルミとABS樹脂でいくと決めた。
調達するには自分で魚を釣らないといけない。
ひとりでは生々しくて触れない。
塾講師のバイト先にいた釣り好きの生徒に連れてってもらう。

先生、魚釣ってどうするの?
しめるんだよ。
は?

連れていかれたのは、完全にコンクリートで作られた川。
ブラックバスが釣れた。
2匹目はブルーギルが釣れたがリリース。

たぶんトンカチで叩いたと思う。
夜、つくばの森の奥で。
魚がこわいし寒いし。
1発ではしめられなくて、覚悟を決めて何発か。
その時の魚の目を覚えている。
お腹を割いたら、紫色のワームが。
そこから取り出した浮き袋を使って肺魚へ。
道具としての作品を作れたという手応えがあった。

弓魚は形としても美しいので作った。
その時のものは飛ばなかったけど。

殺魚棒は、実は日本の漁師さんも持ってる。
釣具やさんでも売ってる。
東北では魚打棒と呼んでる。
「殺魚棒」ではインパクトがありすぎるので名前を「魚打棒」にした。

殺魚棒は顔を描くことで死を弔う宗教。
自分はそういう宗教は持ってないので、ブラックバスの死をどうやって弔うか。
棺桶にしよう。
ということで、あの形になった。

だんだん魚の道具=弾(たま)がそろってくる。
このシリーズを魚器(なき)と名付ける。
大学院の修了制作にしようと決める。

ほかに作ったものはパチモク。
京都のお寺で見て、因果応報の意味を持つ木魚を買って帰る。
木魚は鳴らせば人が集めることができて、集まったら因果応報の説明ができる、便利なもの。

金の粒はボディ&ソウルの矛盾を表現したもの。

えらい先生の前でデモンストレーション。
パチモクはうけなかった。

自分とはなにか、一発ではわからないけど道具を作り続けて使い続けたら分かるのではないか、道が見えてくる、と。
その道が悪くても信じればいい。
自分の名前は信道だし。
ちなみにお兄ちゃんは「正道」なので、正しい道に行くしかない。

デモンストレーションする時の衣装について。
その時はタキシードを着てやってみたが、いかがわしいマジシャンにしか見えない。
その後、電気屋スタイルを思い付く。

つくばで修了制作の作品を展示した。
1週間毎日合計7匹魚をしめた。
ホームセンターで買った鯉を。
パチモクをポクポク鳴らして、人が集まったところで、バケツから鯉を取り出してしめる。
浮き袋取り出して肺魚へ。
魚拓を取って、弓魚で射る、というのが一連の流れ。
ひー…、おそろしいデモンストレーションやなぁ…。

当時兄ちゃんは行方不明。
広島でサラリーマンしていたが、諸事情でいなくなる。
電話がかかってきて、どこにいるん?と聞いたら仙台にいた。
卒業制作見に来る?と誘ったら見に来た。
兄弟なので、ふむふむと見ただけで、自分が何をやろうとしてるのか分かる。
こういうことを電気屋スタイルでやろうと思ってるけどやる?と聞いたら、やるやる、と。
吉本には16年いました…。

「すみません、そろそろオタマトーンの話に…時間が…」
と、菊澤教授。
そうそう。菊澤教授はオタマトーンの話を聞きたいんですよ、社長!

今日伝えたいことは、「社長はみんぱくLOVE」だということ、です。
終わり。強引。でもそれは十分伝わったよ。
後から菊澤教授に怒られへんかな…。

質疑応答へ。
記者っぽい方からの質問。
社長のおすすめの展示は?
全体をだらだら見る。
分からなくてもぼーっと見るのがいい。

元気な男の子からの質問。
明和電機の楽器をいっぱい知ってるー。SUSHI BEATとかー。
明和電機知ってる自慢だった。

元気な年配女性からの質問。
私も以前から明和電機を知っててー。
こちらも明和電機知ってる自慢だった。
菊澤教授、こんなんで大丈夫でしたか…。

質問者たちのオタマトーンが好きだという話から、殺魚棒がオタマトーンにつながる話。
顔がある、というところ。
ものとしてはただの棒でいいのに、呪術性の顔がついている。
オタマトーンは顔をつけることでYouTubeなどでうけた。
アフリカゾーンなどに展示されてる楽器は装飾性がある。
楽器は祭りごとに使われていたのが、大量生産によって呪術性が失われた。
オタマトーンは顔がつくことによって演奏の正確さもゆるくなり、楽しく弾ける。

時間オーバー気味だったけど、なんとかオタマトーンの話に滑り込み。
菊澤教授、これで大丈夫でしたか!?
10月にある、今回の特別展関連のシンポジウムにも社長が登場するそうな。
シンポジウム…。行ってもいいやつかな…。

思い返すと大学生の時に、ただのオブジェじゃなくて、用途はあれとして、使える「へんな道具」を作って、しかも「へんなパフォーマンス」もしている明和電機が気になったのが始まりだった。
それがここまでに長続きするとは私も自分で思ってなかったよ…。

トークイベント終了後、いつの間にか始まったサイン会。
社長に「台風連れてきましたね」と言いながら、お土産渡してスマホカバーにサインいただく。

オーラがもじゃもじゃ出ている社長。

この日は台風14号の影響があちらこちらに。
トークイベント終わってからまぴぃさんと太陽の塔内部見学行ってあれで乾杯するはずが、まぴぃさんは飛び出しで帰ることに。
残念、またね、と涙の別れをして、太陽の塔内部見学の予約時間までまだあったので特別展を見に。

世界の手話などの展示を見ていたら、聞き覚えのある「んあ~~」という声…。

セーモンズセッティング社長!


セーモンズ見守り社長!

定時になると歌うらしいのだけど、社長が不在の時も元気に歌えているのかな…。
ちょっと不安そうに立ち去る社長(と大西さん)だった。


ボイピーもありましたよ。

予約キャンセルもできないので、行けなくなったまぴぃさんの代わりにぱたのさんをつかまえて太陽の塔へ。


1階のみ撮影OK。
入っていきなり圧倒される。
夢に出てきそう…。


2018年に復元された「地底の太陽」。
うわー。すごー。しか言えない…。

奥に進むと

生命の樹。うわー。でかー。すごー。しか言えない…。
単細胞生物からクロマニョン人まで、この樹にいる生物を見ながらゆるやかな螺旋階段を上る。
前の週に岡本太郎展を見たとこなので、余計にぐっとくる。
パワーをもらう、ではなくて、圧倒的な力に抑え込まれる感じ。
すごいなー、すごいなー、と念仏唱えるように上がっていくと、気になるやつが。
人類のちょっと下にいるゴリラの頭がなんか変。
セーモンズの顔のようなアルミ板みたいな機械がむき出し。
なんで?他のものはきれいに復元されてるのに。
機械ってことは、ここの生き物は動いてたの?
なんでなんで?
帰ってから検索してみたらウィキペディアに
「当時「生命の樹」の枝には292体の模型が取り付けられており、これらのうちの一部は電子制御装置により、動いていた。(中略)292体あった生物模型は183体になった。153体は新規に制作し、29体を修復した。生命の樹上部のゴリラのみは経年を表すため頭がもげ、内部機構が出た状態で展示されている。」
とあった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E3%81%AE%E5%A1%94
なるほど~。あえて、か…。

いろいろよかったのだけど、特に心惹かれたのは、右手左手の内部の延々と続く鉄骨の美しさ。
先に向かって細くなってるので、吸い込まれるようだった。
あれを見るためにもう一回行きたい。

下りは別ルートの螺旋階段。
踏み外さないように下を見ながら、くるくる下りていく円が小さいので、途中でくらくら。
それでも途中にパネル展示があるので、目を回している場合ではない。
「太陽の塔の顔を選定している岡本太郎」のパネルがあった。
やっぱりいくつか作ったのか。選ばれなかった顔はどこ行ったのだろうね。

ふらふらになりながら、やっとの思いで1階にたどり着く。
ミュージアムショップをのぞくと、今日着てるTシャツが売ってた。
なんかちょっと恥ずかしかった…。いや、今日はこれ着るべきだった!


ありがとう、太陽の塔。また来るぞう。

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